3.102018
持込みシルバーリングへのロジウムメッキ加工

こんにちは。
ジュエリーKINPOH – (有)金峯です。
■メッキのし直し
今回は、シルバーリングへのロジウムメッキ加工のご依頼です。
こちら、お持込のリングですが、購入後にご自身で「卓上メッキセット」を購入してメッキをしてみたところ、
画像のようになってしまったので、元通りにしてメッキをし直してほしいというのがご希望でした。
焦げたように真っ黒くなってしまってますね^^;
メッキ加工は、品物へ電気を通すことで地金表面へ別の金属膜を着層させる技法です。
シルバーは、元々変色する性質(硫化)を持っている金属ですが
電圧が高すぎたのか、熱が加わったことで黒くなってしまっているようです。
まずは、黒くなった部分の除去から開始します。
この黒味は、例えばクリーナー液や洗浄機でのクリーニングでは取れないので研磨をします。
とはいっても、ガリガリと研磨は出来ないので、ガラスブラシを使って地道に研磨。
一皮剥がす・・・というイメージでしょうか。
文字と文字の間も、出来るだけ黒くなった部分を除去します。
この時点で、いかに綺麗に出来るかが この後のメッキの出来栄えにも影響してきますから大事な作業なんです。
ここまでの状態にするのに、結構時間がかかりました^^;
ブラシを使って電動で一気に除去する方法もありますが、文字の輪郭やエッジにできるだけ影響が出ないよう、
一文字一文字、細かく作業ができる手作業で行いました。
■ロジウムメッキ
研磨作業を終えたら、メッキ加工です。
めっきには耐久性のあるもの、色調を重視するもの、また下地や密着性などいろいろ技術的な問題を多く持っています。
品物の状態に適した条件で行わないと、綺麗なメッキ加工は出来ません。
今回は、シルバーカラーのメッキということで「ロジウムメッキ」を行います。
黄色い方の液に浸けて、電気を流すとシルバーの表面にロジウムの膜が着層します。
ロジウムメッキ加工の完了!
「ロジウム」という金属は、硬くて美しい銀色の光沢をもった金属です。
・硬く強度があり傷がつきにくくなる
・シルバー特有の硫化を防ぐ
・耐食性がある
がロジウムの大きな長所です。
シルバーの変色を好まない場合、ロジウムメッキ(コーティング)を行います。
ホワイトゴールド製品のほとんどに、ロジウムメッキ加工がされています。
「プラチナ仕上げ」と呼ばれる加工も、ロジウムメッキ加工ですので、
宝飾品の世界では、ごく一般的にロジウムメッキ加工が行われているということになります。
■アレルギー
”メッキがアレルギーを引き起こす”からメッキはしない方が良いといわれることがあります。
「メッキに被れた」という品はロジウムメッキがかかっているものが多いためそのように思ってしまうのですが、
ロジウム自体はアレルギ―の原因になることは希といわれていますが、より光沢を出すため、またはロジウムの定着をよくするために
下地にニッケルメッキが利用されていることがあります。
表面のロジウムメッキが傷ついたり磨耗した場合は、下地のニッケルが露出して汗に溶け出す場合があり、それに反応してアレルギーが出てしまう場合や、
ホワイトゴールド製品の場合にはニッケルが入っているものがありますので、ロジウムコーティングが剥がれた後にそれらに肌が触れることで
アレルギーを引き起こしてしまうことが多いようです。
アレルギーをお持ちの方は、元の素材がどのような素材なのか、ニッケルメッキが使用されているかどうかを事前に確認することをお勧めします。
ちなみに、今回のメッキ加工にはニッケルメッキは使用しておりません。
ロジウムメッキのみとなります。
メッキについては、以下URLより詳細ご覧いただけます。
>http://kinpoh.com/product/mekki
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