1.92018
フリーサイズリングの折れ修理
こんにちは。
ジュエリーKINPOH – (有)金峯です。
フリーサイズの指輪は、サイズの微調節を自身で出来るのがメリットなのですが・・・
グッと力を入れて調節しようとすると、↓画像のようにポッキリと折れてしまうことがあります。
こちらはティファニーのフリーサイズのシルバーリング。
恋人から、プレゼントしてもらった翌日にこの状態になったとのこと・・・(汗)
(ショックですよね~><;)
慌てて当店へ駆け込み修理のご依頼でした^^;
次のデートに着けて行かないわけにもいかず・・・
なんとか(早く)直らないかという、ご本人の気持ちも充分に解ります。
折れてしまった原因は1つではないですが、リング自体が鋳造にて製作されたリングであるため、
表面からは見えない内部に「ス」と呼ばれる微小な孔や空洞が生じている場合があります。
この「ス」がある部分は、地金がスポンジ状のようになっていることもあり強度が落ちます。
(骨粗しょう症と似たようなもの!?^^;)
フリーサイズのリングを調節する場合、徐々に全体に力を加えるほうが良いのですが、
シルバー自体柔らかい貴金属なので、特にフリーサイズなどの場合は 手指先だけでも力を加えて変形させることが可能です。
そこで、一部にだけ力を入れて調節しようとすると、一番弱い部分へ力が加わるため
結果、金属疲労のような状態となり折れてしまいます。
実際に、折れた指輪の断面を確認するとスパッと折れた様子はなく、ちぎられたような状態にも見えます。
これは、おそらく「ス」が原因でこのようになっていると思われます。
金属同士をくっつけるために「溶接」を行います。
切断面が綺麗な状態でないとロウ付けという溶接方法が使えません(綺麗にロウが流れない)ので、切断面をロウ付け出来るように綺麗にしてから・・・ということも考えました。
シルバーを溶接するためには、特性上 指輪全体へ熱を加えないとロウ付け出来ないのですが、
全体へ熱を加える事で、隠れている「ス」が顔を出すことも考えられ、また、ロウ付け箇所はやはり弱くなるので力が加われば、再度折れてしまうことも考えられます。
と、このように色々な条件・状態を考慮して修理工法の検討をします。
最終的に、今回はアーク溶接で母体同士を溶かしてくっつけるという選択をしました。
↑アーク溶接して、地ならしをした状態。
無事にくっつきました!
フリーサイズの指輪ですが、2度と折れたりしないようにサイズを決めて固定をすることに・・・。
これでフリーサイズではなくなりましたが、「また折れたらどうしよう・・・」などと気にすることもなく
普通に使っていただけるようになりました。
フリーサイズの指輪には、メリットとデメリットがあります。
それらを理解の上でお使いいただければ、フリーサイズのリングも色々な指へ漬けて楽しむことも出来ます^^
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